皆さん、こんにちはあん子です。
4月ということで、新入職の看護師さんはそれそれ配属部署がわかる時期でしょうか?

腎臓病内科病棟に配属になったけど、どんな病棟なんだろう?
今回は、「腎臓内科病棟」について私が勤務していた経験をもとに紹介していきます。
腎臓内科の主な1日のスケジュール
就職する病院で多少スケジュールは違うと思いますが、参考になればと思います。
- 8:30〜情報収集、朝の申し送り
私は情報収集に時間がかかってしまうため、就業時間30分前より情報収集をしていました。(いわゆる前残業…)
主に身体情報、予定されている検査や透析に行く時間の確認もチェックしていきます。
夜勤→日勤へ最新の情報を申し送り
日勤チームで受け持ち患者の情報共有を行う
- 8:45受け持ち患者さんへ挨拶、環境整備
受け持ち患者さんへ挨拶。
ここでは朝の情報収集での相違がないか軽くチェックしていきます。(安静度や使用している点滴など…)
- 9:00午前透析予定患者さんの搬送
予定透析患者さんは看護助手さんが搬送してくれました。
初回透析患者さんは透析中や透析後に状態が変化することがあるので、入室は自分で搬送し、透析室看護師と直接情報の共有等を行います。
また、独歩の患者さんでも透析後は気分が悪くなってしまうことがあるので、車椅子で搬送していました。
- 9:05〜保清ケア
午前中のうちに、清拭や入浴介助、陰部洗浄をします。
- 11:00〜検温、昼分経管栄養の準備
保清ケアが終了次第、受け持ち患者さんのバイタルサインチェックをする。
- 11:30〜血糖測定、インスリン準備
透析患者さんには糖尿病を患っている方の多いので、必要な患者さんには血糖測定をしていきます。
自力でインスリン注射ができない患者さんやインスリン投与量が安定しない患者さんのインスリン準備をしていきます。
- 12:00昼食配膳・経管栄養投与・配薬
食事の配膳とともにインスリン投与をします。
受け持ち患者さんの経管栄養も投与していきます。
食事介助の必要な患者さんの食事介助をしていきます。
食事前の薬・食事も終わった方の配薬を順次行います。
こんなにやることあるの…と思うかもしれませんが安心してください!ちゃんとメンバーで分担してます!
- 12:30〜休憩
やっとこ休憩です。休憩はメンバー半分ずつくらいで分けて入ります。
- 13:30〜検温、透析終了した患者さんの食事出し、経管栄養終了、点滴交換
休憩後もやることいっぱいですねえ〜。
午前透析が終了した患者さんの、身体状態を確認し、昼食を提供していきます。
午後から透析をする患者さんもいるので食事や配薬が終わっているか確認し助手さんに搬送してもらいます。
点滴の滴下調整を確認し、更新していきます。抗生剤等必要な方は、順次時間で投与していきます。
- 15:00〜患者指導、記録
慢性腎不全の方の生活上の指導をしていきます(患者さんによりますが、食事や水分、透析について、インスリン指導など)
受け持ち患者さんの状態を見ていき、看護記録に残していきます。
- 17:00ラウンド
看護師数名で病室をラウンドをして、点滴チェックや環境整備などをしていきます。
受け持ち患者さんへ挨拶をする。
- 17:15申し送り
夜勤者さんへの申し送りをします。
- 17:30勤務終了
以上、大まかな日勤のスケジュールでした。
受け持ちによっては、短期留置カテーテル挿入介助や生検介助などで1日のスケジュールが違うこともあるので、朝の情報収集で確認が必要です。
(タイムスケジュール組むのってすごく難しいですね…)
患者さんの特徴
病棟で対応した患者さんの主な疾患
- 慢性腎臓病(CKD)
- 急性腎不全(AKI)
- ネフローゼ症候群
- 1型・2型糖尿病で糖尿病性腎症を併発している人
- 水・電解質・酸塩基平衡異常患者(高カリウム血症、低ナトリウム血症など)
などなど、主に上記の患者さんを相手に看護してきました。
患者さんの年齢層
人工透析をされている70歳〜80歳代の高齢者が大半を占めています。
もともと自己免疫疾患の疑いで腎生検など検査入院でくる10代〜の方も対応することがあります。慢性期病棟などでは、高齢な方を対応することが多いです。
患者さんの特徴
主に人工透析をしている・これから人工透析が必要な方の看護をしていきます。
透析患者あるあるかもしれませんが、透析をする患者さんは、こだわりの強い方が多い印象もありました。
また、尿毒症があり体調も良くないのか怒りっぽい方も多少いました。

治療過程で、尿毒症も軽減し穏やかになるケースもありました。
どんな治療をしている病棟なの?
人工透析
透析には2種類あり、「血液透析」と「腹膜透析」に大きく分けられます。
血液透析 (HD)
皆さんのイメージする「透析」とはこちらの印象があると思います。現に透析患者さんの大半は血液透析にて治療をしていました。
血液透析療法とは、機械に血液を通し、血液中の老廃物や不要な水分を除去し、血液をきれいにする方法です。
一般社団法人 全国腎臓病協議会HPより

一般的には週2〜3回程度、4時間程度時間をかけて行います。
腹膜透析 (PD)
この治療法で治療している患者さんは、比較的少ないと思います。腹膜透析としている方は、年齢層は50歳〜60歳代と透析患者としては若い方で行っている患者さんが多いです。
腹膜透析療法とは、お腹の中に透析液を入れ、自分の腹膜を利用して血液をきれいにする方法です。
一般社団法人 全国腎臓病協議会HPより

腹膜透析は、1日に数回、透析液を交換しています。なのでほとんどの方は常時腹膜に透析液が入っている状態です。
腹膜透析には一日数回手動で透析液を交換するCAPD(連続携行式腹膜透析)と就寝中などに機械をしよして自動的に腹膜透析を行うAPD(自動腹膜透析)に分けられます。
しかし、腹膜透析は腹膜炎や腹膜の劣化により徐々に透析効率が落ちてしまいます。そのため、腹膜透析+血液透析(週1回)を併用したり、血液透析へ移行したりします。
腎臓移植
腎移植は他者からの腎臓を移植して、腎臓の機能を回復させることです。唯一、末期腎不全の患者さんが根治を目指せる治療法になります。
生体腎移植
親族から腎臓を提供してもらい、腎臓移植をすること。
献腎移植
脳死・心停止された方より腎臓を提供してもらい、腎臓移植をすること。→腎移植は根治を目指せる治療法ですが、拒絶反応が起こることもあるため「免疫抑制剤」の定時内服が必要です。
→腎移植は誰もが受けられる治療ではなく、腎臓提供者の存在や、提供された腎臓との相性が合わなければ行うことができません。なので事前の相性検査が入念に行われます。
腎臓内科病棟で働くメリット・デメリット
腎臓内科病棟で働くメリット
腎臓内科病棟で働くメリットは5つあります。
●腎臓疾患全般の知識が身につく
●透析についての知識や技術を身につけることができる
●腎臓病についての生活指導や食事指導、透析患者さんへの指導スキルを身につけられる
●透析患者さんは長期で入院することもあり、時間をかけて関わることができる
●自分も腎臓大事にしようと思う(やはり透析は大変そう…)
腎臓内科病棟で働くデメリット
腎臓内科病棟で働くデメリットは3つあります。
●こだりの強い患者さんが一定数いるため、関わりの中でトラブルになることもある
●透析に関しては、ルーチン作業のためマンネリ化し飽きてしまうこともある
●透析や腎疾患の知識は身につくが、それ以外の知識は身につく機会が少ない
終わりに
新入職や異動で、腎臓内科病棟へ配属になった看護師さんもいるかと思います。
この記事で少しでも腎臓病内科病棟について知っていただければなあと思います。
またメリット・デメリットを記載していますが、デメリットも考えようではいくらでもメリットに変換できると思います。
現にこだわりの強い方との関わりもコミュニケーションの幅の拡大や、関係性の構築について考えることもできました。
どの領域でもですが、私たち看護師は患者さんの身体面だけでなく、精神面のケアも行っていく必要があります。腎臓内科病棟ではそんな精神面のケアがとても求められる領域かと思います。
看護師としての経験は全てあなたの人生のプラスになることだと思います。腎臓病内科病棟での経験のあなたのプラスになればと思います。

腎臓内科病棟ってこんな感じで動くのか!病棟それぞれでやることも違うんだ!

私の勤めていた所の一例だけど、参考になったらいいな♪
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